今回は、常設のお蕎麦屋さんではなく、そば打ちの会でのお蕎麦を紹介します。
会場は椿家さん(ページ下部に地図情報を載せました)を貸し切りで、約20名の参加です。
そば粉は山形県産の「でわかおり」でした。初めて知った品種です。山形県といえば「五月雨をあつめて早し最上川」と芭蕉が詠み有名な最上川がありますが、「最上早生(もがみわせ)」という蕎麦があります。その最上早生を系統選抜したのが「でわかおり」。山形市の鈴木製粉さんから取り寄せたそば粉です。
今回は、荒木さんという方が蕎麦打ちの師匠です。荒木師匠のレシピどおりに進めます。
荒木師匠は気さくな方で、そば打ち指導の間に秀逸なオヤジギャグが飛んでくるので気が抜けません(笑)
そば粉は「でわかおり」500グラム、小麦粉は強力粉100グラムをよくまぜます。そば:小麦粉が10:2ですから「外2」ですね。フルイにかけて粉をちゃんとほぐしてあげるのが大事なようです。
湯捏ねが特徴的
今回のそば打ちで特徴的なのは「湯捏ね(ゆごね)」です。
粉600グラムに対して47~48%の分量(約285cc)の熱湯を一気に入れます。熱いので手でこねるのは無理。しゃもじでよく混ぜます。このときに、蕎麦のよい香りがふわぁ~と立ち上ってきてなんとも幸せな気分になります。
ある程度しゃもじで混ぜたらだんだんそば粉が固まってきます。そば粉自体は冷蔵保存してあるので熱湯とよくまざると人肌くらいのほんわかとした温度にまで下がってきます。そうなるとあとは手でこねていきます。
通常のそば打ちでは「水回し」が難しくなかなかつながらなくて苦労するんですが、湯捏ねだとすぐにつながります。たまにしか打たない素人そば打ちにはこのような手法が向いているかもしれませんね。
こねた600グラム玉は3つに分けました。ひとつ約200グラムですね。この200グラムぐらいの玉で打つというのはとてもいいです。素人でも打ちやすいからです。厚さ2ミリ弱(1.7ミリがベストということでした)くらいに伸ばします。伸ばすと30センチ四方くらいの大きさになります。ちょうどA4サイズの横幅くらいですね。
麺を畳んで包丁で切ります。そば包丁もありましたが、なんと荒木師匠は普通の包丁で切るということでした。これも自宅でそば打ちしようという人にとってハードルを下げてくれますね。
打ち立ての蕎麦を茹でて、茹でたてをいただきました。「挽き立て、打ち立て、茹で立て」はおいしい蕎麦の「3立て」と言われますが、それが実現できるこのような手打ちそばの会はいいですね。
手打ち蕎麦は本当においしいですね。湯捏ねだとお蕎麦の香りが弱くなるのではないか思っていましたがそんな心配ご無用!というくらい香り高いお蕎麦でした。ほどよい固さで噛みごたえもあり、噛むと蕎麦の甘みというか旨味もじゅわーとあふれてきます。
「でわかおり」ですか、メモしておきます。今度、福井県産の蕎麦と食べ比べしてみたいです。
今回の会場を提供してくれた椿家さん、ありがとうございます。
椿家
〒920-0005 石川県羽咋市滝町マ46−1
電話:0767-23-4498
営業は基本的に土日のみ
土曜日 10:00~18:00
日曜日 10:00~17:00
椿家は週末カフェとして土日を中心に営業している町家カフェです。オーナーの清水さんという女性が明るく楽しい方でした。通常はお蕎麦はありませんが、きっとまた蕎麦会があると思います。
このサイト(北陸の蕎麦食べ歩き)について
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【特徴と傾向】本人は蕎麦好きのベジタリアンで肉と魚を食べません。鰹節が苦手なので蕎麦屋ではできるだけカツオ系は外してもらっています。鰹が強いダシは香りが強すぎて苦手なため、鰹が効いた出汁は使いません。大根おろし汁で食べるおろし汁蕎麦が一番の好みですが、醤油系のかえしや塩だけで食べる蕎麦も好きです。また、蕎麦は太めで香り高いものが好きで、蕎麦の香りをじゃまするような種物はあまり一緒に注文しません。
そのような理由から、このWEBサイトの写真は「鰹節なし」「ダシなし」の蕎麦だけのものが中心です。偏った情報に見えるかもしれませんがご容赦願います。
2015年2月に蕎麦鑑定士4級になり、2018年3月には蕎麦鑑定士1級に認定されました。1級認定まで4年かかりましたがよい勉強をさせていただきました。今後も趣味として(食道楽として)の「お蕎麦の研究」を続けていきたいと思います。どうぞよろしくおねがいします。
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※遠田幹雄は株式会社ドモドモコーポレーションの代表取締役です。