うるしやさんの開店時間は11時。開店と同時にお店に入ると、庭が見える席に案内されました。
うるしやさんのメニューは豊富で、蕎麦以外のメニューも充実しています。これはお酒を飲みたくなってしまいすね。
実は「越前そば」というネーミングの由来は、昭和天皇が1947(昭和22)年に食べた福井県の蕎麦を「あの越前の蕎麦をもう一杯食べたい」と言われたことだそうです。
その蕎麦屋が旧武生市の「うるしや」さんなんです。惜しまれながら20数年前に休業した老舗です。その「うるしや」さんが、2019年4月に復活したということなので、なんとしても行きたいお蕎麦屋さんでした。
蕎麦は2セットオーダーしました。
手前の蕎麦は「田舎風そばのせいろ」、奥に見えるのが先代のそばを守って麺に抹茶を練り込んだといわれる「名代(なだい)おろしそば」です。
名代そばの出汁は大根おろし汁とかえしで作られています。鰹は使っていないということなのでベジタリアンの遠田にはうれしい仕様です。(上記写真の手前が名代そばの出汁)
一方、田舎風蕎麦せいろの出汁も鰹を使っていないということでした。この2セットで注文するのは大正解でした。
出汁は名代そばの大根おろしの絞り汁でいただくのを軸にして、出汁がうすくなってきたら田舎そばの出汁を補充用として使いました。
うるしやさんは名代そばが看板商品です。名代そばは抹茶を練り込んであり、細打ちで食感がよく、噛むと抹茶の香りが鼻に抜けてきてなかなか粋なお蕎麦です。
一方の田舎風蕎麦は本格的な二八そばで、麺自体がぷんと蕎麦のよい香りを発しています。遠田は田舎風蕎麦を名代そばの出汁で食べるという食べ方がとても気に入りました。(箸でリフトしているのは田舎風そばです)
今度もこの組み合わせで注文しようと思いました。
お昼限定のサービスらしいのですが、そば味噌も提供してくれました。これはうれしいですね。ますますお酒が飲みたくなってしまいましたが、車で来ているので我慢です。
今度は夜に来たいな、と思いました。しかし、そば味噌は夜には出してもらえないらしいので、昼に来てお酒を飲むのがベストかも…。
接客長の花房さんからは「昼にお酒を飲まれる方は多いですよ」と誘われた感じになってしまいましたが、今日は我慢我慢(笑)
蕎麦湯も濃厚に仕立ててありました。お蕎麦をいただいたあとの蕎麦湯をゆっくりとすするときがまた至福のひとときです。
大正時代の建物らしいですがロマンがあります。蕎麦屋ですがまるで料亭のようでした。旧武生(現在は越前市)には料亭文化がありますが、蕎麦屋でその風情を味わえるとは格別な思いです。接客長の花房さんという女性の方の接客が本当にすばらしくて感動しました。
会計を済ませて帰ろうとしたら雨模様になっていました。駐車場まで約30メートルほどあったので走ろうかなと思ったら、番傘を開いてくれて「お車までお送りします」と…。なんという心遣い。相合い傘で自分の車の運転席まで送っていただきました。これは、惚れてしまうやろ…(笑)
蕎麦も接客もすばらしい蕎麦屋が現代に復活してくれて本当にうれしい、うるしやさんです。
うるしや
昼営業は午前11時~午後3時、夜営業は5時~同10時
定休日は水曜日
電話0778-21-0105
人気店なので駐車場がすぐにいっぱいになります。ご注意を。
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ご意見ご感想がありましたらこちらのフォームから送信ください。この「蕎麦食べ歩き北陸」というブログは遠田幹雄が一人で写真を撮影し主観で記事を書いています。
【特徴と傾向】本人は蕎麦好きのベジタリアンで肉と魚を食べません。鰹節が苦手なので蕎麦屋ではできるだけカツオ系は外してもらっています。鰹が強いダシは香りが強すぎて苦手なため、鰹が効いた出汁は使いません。大根おろし汁で食べるおろし汁蕎麦が一番の好みですが、醤油系のかえしや塩だけで食べる蕎麦も好きです。また、蕎麦は太めで香り高いものが好きで、蕎麦の香りをじゃまするような種物はあまり一緒に注文しません。
そのような理由から、このWEBサイトの写真は「鰹節なし」「ダシなし」の蕎麦だけのものが中心です。偏った情報に見えるかもしれませんがご容赦願います。
2015年2月に蕎麦鑑定士4級になり、2018年3月には蕎麦鑑定士1級に認定されました。1級認定まで4年かかりましたがよい勉強をさせていただきました。今後も趣味として(食道楽として)の「お蕎麦の研究」を続けていきたいと思います。どうぞよろしくおねがいします。
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※遠田幹雄は株式会社ドモドモコーポレーションの代表取締役です。